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娘の成人式の想い出。

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来年成人式を迎える次女に、またたくさんのダイレクトメールや勧誘電話が届くようになったので、1年前の長女の時はどうだったかと思い出してみた。
自治体主催の成人式には出席しなかった長女だったので、日を改めて、2月も終わろうとした頃、遅ればせながら着物での写真撮影をした。
18歳の頃から、電話での勧誘、大量なカタログ、ダイレクトメールが届き続け、それらはありがたくも廃品回収のトイレットペーパーにさせて頂いたが(笑)、昨今の成人式事情は、写真スタジオで着物をレンタルし早めの写真撮影、そして成人式当日はそれを着用させて頂けるという仕組みらしいが、当家は私の成人式の時に今は亡き母と、呉服屋の店頭で一目見て「これ」と即決した着物と帯が良い状態で保存されているので、それを着用と決まっていたのと、本人が同窓会のみ出席で成人式は着物を着ないというので(その代わりの記念の品プレゼント)、さていつ写真だけでも撮影するかと悩んでいたが、当初の候補、昨年の夏…秋…冬…と季節は巡り、とうとう成人式から一カ月たった全く何のゆかりもない2月の下旬、重い腰をようやくあげた。全くアバウトな親子らしい(笑)。
聞けば今の風潮は、19歳になった頃には写真スタジオでレンタル着物を予約し(早くしないと良いものがなくなってしまう)、前撮りを済ませ、当日もまた同じ着物を着つけしてもらい、後日返却…このコースで約30万位からとか。着物の柄によっては更に値段も上昇するとかで……た、高い!!!!(笑)

なので、迷わず私の着用した着物を娘に勧めた訳だ。
その着物。和裁仕事を得意としていた母が精根こめて縫ってくれた一枚。白地に朱色と黒の鮮やかな模様に金色の刺繍が施されたもので、30数年の時を経た今、主流を占めるのは色物の鮮やかな現代風の柄であるが、あまり着物への審美眼がない自分でも、どんな着物を目にしても、この一着が一番と思える。
が、現代に生きる娘としてはやはり流行のものが気になるようで、「でもこれは歴代、Aちゃん、Bちゃん、Cちゃん、それからDちゃんもみんな着てきて(姪っ子たち)、おばあちゃんもお前が着たら本当に喜ぶと思うよ。」と一応言ってはみるが、選択の余地なくもう着ることは決まっている訳で。
が、スタジオでヘアメイクをしてもらい、着物を着つけてもらって鏡を見て「思ったより全然いいじゃん!」と(笑)。

その姿が私よりは10センチ程背が高いものの、顔立ちは可哀想に私にそっくりで(笑)、とうに20歳にはなっていたものの、立派に着付けして頂いたその艶姿に思わず胸がいっぱいとなり、「こんなに成長して。」と胸が熱くなり。
更に着付けて下さった年配の方が「裾に綿が入っていて、今はこういう縫い方は貴重で、本当にいいお着物ですね。」と言って頂き、その言葉を母が聞いたら得意満面、それは嬉しそうに誰より喜んだことだろう。
管理してくれていた義姉からこの着物を手渡して貰う時、広げながら、「この裾が本当に手が込んでいるのよ。お母さんの愛情が本当に感じられて凄いよ。」と。

当時、これを当然のように着て、やはり娘のように成人式には出席せず(笑)、学校の友達と明治神宮にお参りに行ってしまった自分はなんと親不孝だったのか。親戚やご近所を連れまわしたかっただろうに。
母が亡くなって15年、日頃はいなくなった淋しさも感じることは少なくなったが、時折、こうして強烈にその存在と愛情を思い出す時がある。一緒に時を重ねた月日の方が亡くなった月日より3倍と長いのに、少しずつ、声や仕種が薄れてきてしまうのは哀しく、人はそうして風化してしまうのかと自分も将来を憂いていたが、いやいや、このように時を経ても想いは蘇るのだよね。
生きている時に言えなくてごめんね。大切に育ててくれて心より感謝します。ありがとう。

あ。すっかりタイムスリップしてしまってポエマーしてしまったが(笑)、その後、カメラマンの方が気をきかせて下さり、「お母様もご一緒に」と写真を撮って下さるという。え。全く普段着のメークも適当なんですが。と断る間もなく、さあどうぞとポージングをして数枚。
その画像を見て茫然。どこのおじいさんだよ(爆)。いやあ、年齢よりは少々若い?と図々しく思っておりましたがその傲慢な想いを撤回(笑)。年齢以上、太りすぎの己の現実を見よ!!(笑)

他に、持ち込み着物のほかに、無料でドレスもレンタルして下さるそうで、そのドレスにお色直ししての撮影も
スタジオ背景を替えて、和風の時は障子のバッグに手毬や日傘が置かれたものから、洋風なホテルの一室風に瞬間で替わる見事さ。ドリフターズのコントのように(例えが古すぎ/笑)。

和洋両方で100枚以上撮影して頂いただろうか?
それらをCDに焼き付けて貰い、後日、立派な写真アルバムとして送付して貰うセットで、確か8万円だったと記憶している。それが高いか安いか。

自分を振り返れば、美容院で早朝着付けしてもらった一式で写真館を訪れ、数ポーズ撮影という時代だったが、もちろん修正もないので、撮ったまんまの姿が1年、その写真館の店頭に飾られたりして(笑)、その写真も今はどこへいってしまったのか。

「モノ」より「想い出」なんだろうなあと思う。それは永遠に色褪せなく、昨日のことのようであるし。

娘もいつの日か、その写真館のことを想い出として自分の子供に語るのであろうか。


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